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2017.03.05

[006] 初音ミクが変えたもの -音楽・技術・コンテンツ-

takemitsuan

デザイナー(タケミツアン)と思想家(takeru)が
サブカルチャーについてカジュアルに話します。
Podcastで配信中です。

takeru

3月9日は『ミクの日』

2007年に発売された初音ミクも今年で10周年。
そんな訳で、今回は”初音ミクが変えたもの”について、音楽・技術・コンテンツの三つの側面で話しながら、初音ミクの人気が長く続いている理由について話します。

初音ミクが音楽に与えた影響

初音ミクはなぜ世界を変えたのか?

初音 ミクは、クリプトン・フューチャー・メディアから発売されている音声合成・デスクトップミュージック(DTM)用のボーカル音源、およびそのキャラクターである。

Wikipedia

MEIKOやKAITOをはじめ、初音ミクより以前にも存在していたボーカルエンジン。
それ以前には映画『パプリカ』でも、精巧な機械音声が使われていた。
しかし、初音ミクが発売してから一般認知されるようになった。
その原因は次の三点の要因が大きい。

  • 二万円を切る手に取りやすい価格

  • 時代に沿った可愛らしいキャラクター

  • ニコニコ動画をはじめ、当時盛り上がっていたオタクカルチャーと上手く結びついた

これらの要素がうまく絡み合い、コンテンツの作り手・受けての双方が雪だるま式に増えていった。

初音ミクがDTM界隈に与えた影響

このボーカロイドブームと切っても切りはなせないのが個人のDTM(デスクトップミュージック)をつかった作曲者。

初音ミク発売以前から、DTM作曲者は存在していたものの、音楽シーンとしてはあまり盛り上がっていなかった。
その原因として大きかった”大多数の人がボーカルが入っている曲以外は聴かない”という課題を解決したのが初音ミクだった。

その結果として、DTM界隈にスポットライトが当たるようになった。
もちろん、ボーカルエンジンでつくった無機質な音声と人間の声での違い・区別はあったが、曲を聴いてくれる人が圧倒的に増えたのは間違いなく、ボカロ・DTMシーンの人気が長く続いたことで、”ボカロ曲”というジャンルが定着し、無機質な音声を含め、一般層にも受け入れられるようになっていった。

また、初音ミクのブームからDTM熱の再燃。大量消費の大量生産、価格を下げることができた。
結果として、DTMを使わない音楽でも、練習や宅録用に手が出しやすくなった。

初音ミクが作曲者に与えた影響

ボカロ曲というジャンルが定着すると同時に、その曲を作った作曲者(ボカロP)にも注目が集まるようになっていった。
真っ先に思い浮かぶのは、初期の段階で流行った”メルト”を制作したsupercell(ryo)さん。
ryoさんを先駆けとして、その後、様々なボカロPがアニメ・ゲームの楽曲を中心に活躍した。

その流れを大きく変えたのが、米津玄師(旧ハチ)さん。
ここ数年、様々なメディアで取り上げられている彼も元々はボカロP。
東京メトロのCMや、中田ヤスタカとのコラボレーションなど、若者に限らない一般層にまで浸透するようになった。

世の中に、初音ミクがいなければ世に出ることがなかったアーティストもたくさんいるのではないでしょうか。

初音ミクがコンテンツに与えた影響

音楽だけにとどまらず、3DモデリングやVRなど、新しい技術の発展には初音ミクとのコラボレーションがあった。

これは、初音ミクがただのボーカルエンジンにとどまらず、クリプトン社が発売当時から謳っていたバーチャルアイドルというキャッチコピーが、バーチャルの技術と上手くマッチングした結果である。

初音ミク自体のコンテンツとしての強さ

初音ミクの消失 小説版

また、バーチャル技術以外にも初音ミクは様々なジャンルのものとコラボしている。
これは、作り手が独自の世界観を形成できること要因として大きく、このことが初音ミク自体の長期的なブームに結びついている。

初音ミクの精神性を持たないという側面が良い意味で働き、作り手は独自の世界観を邪魔することなく作品を作ることができた。
また、それらの楽曲を通して、聴き手も世界観を自由に解釈して、世界観を拡張していった。
その結果として、様々な世界観を持った初音ミクが平行で生み出され、コンテンツの消費スピードが早い現在でも、同一のキャラクターによる途切れないコンテンツの供給が可能になった。
また、バーチャルアイドルという実在しない存在は、受け手が裏切られることはなく、アイコンとして強度が非常に高い。

これらの要因が、現在の長く続いている初音ミクの人気を形成しているのではないだろうか。

VOCALOID2 HATSUNE MIKU

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  • 発売日2007/08/31
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タケミツアン

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Twitterでポエムみたいなものを書いています。
Podcast界の哲学・思想家。
エレキベースを中心にした音楽ブログEat the Bassを運営。月間25万PVを記録。

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